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【ゲーム屋ネタ】ゲームソフトが品切れする理由

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発売日なのに品切れ

頭をかかえる外人2
欲しいゲームソフトを発売日に買いに行った…でもどこに行っても品切れ! こんな場合、お客さん側からすると

「なんでこのゲーム、どこもかしこも切らしてるのさ!( ゚д゚)」

など、思うところはいろいろあるんじゃないでしょうか。今日は表題の通り『ゲームソフトが品切れする理由』について書いてみたいと思います。

売れる数>入荷数

当たり前ですが、品切れ=入荷数が足りなかった、ということになります。えー、だったらもっと仕入れておけばいいじゃんバカじゃん、と思いますよね。でも多く発注すると今度は在庫が余る可能性が高くなります。本の用に返品できる制度もないので、お店側としてはできるだけ売れる数=入荷数、にするべく発注数を考えることになります。

ゲームソフトの発注数の決め方

考える人
ソニー系ゲームソフトの場合、発売日の2ヶ月前が発注日です。商談会で遊べたりすることもありますが、最初から最後まで遊べるわけもありません。そのためいろいろな情報を元にして考え、発注数を決めることになります。主に参考になるのは以下の要素です(おしょ~が勤めてるPAOの場合)

  • 予約数
  • 過去作品のデータ(シリーズものの場合)
  • ユーザーの評価(前評判)
  • タイトルの知名度
  • 自社で『売っていける』か?

【予約数】
かなり参考になります。発売2ヶ月前である程度予約が入っているなら、個人的にはかなり強気に発注できます。これが数件レベルだとうーん、という感じです。

【過去作品のデータ】
シリーズものの場合、参考にするという感じで予約数よりは信頼度的に弱いです。ただ、シリーズ作品の場合、前作から大きく数字を下げることはなかなかないため、全国でどれくらい売れるかの参考として使用します。

【ユーザー評価(前評判)】
これは生の声&理由、という点から参考にします。実際にシリーズを遊んでいる、予約しているスタッフの話は説得力がある反面、思い入れが強すぎるという欠点も抱えてます。ただ、ターゲットが狭い、いわゆるコアゲームの場合はかなり参考になりますね。

【自社で『売っていけるか?』】
『売れる』タイトルと『売っていける』タイトルは似て非なるもの。オリジナルの新作はここをしっかり判断する必要があります。知られていない反面、力を入れてプッシュすればシェア(全国に対してウチが売った比率)が劇的にアップしたりもします。

他にもありますが、主にこれらの要素を元に判断していき、お店全体(系列店全体)の発注数を決めることになります。決めたらあとは商品課がメーカーに発注書を出し、代金を支払い、それに基づいてメーカーは発売日前日にゲームソフトがお店に到着するように出荷します。

うーん、きちんと判断する材料があって、それに基づいて数を決めて発注している。にもかかわらず品切れしてしまったことは過去に何度もありました。つまり、決めた入荷数が適正でなかったことになります。では、品切れするパターンの代表的なものを挙げてみます。

品切れする場合のパターン

空の宝箱
【発売直近に予約が急激に上がってくる】
対応しづらいパターンがこれ。最近だと討鬼伝[VITA]が印象的ですね。発売2週間前を過ぎてしまうと、それ移行の入荷は発売日当日かそれ以降になってしまいます。

しかも、発売直近で上がってくるため、自分のところ以外のお店も同じ状況なことが多いです。なので、それを見てから発注してもすでにメーカーが欠品したりして次の入荷は週明け、みたいになってしまいます。

【発売後に面白いことが判明】
これも予測&対応はムリなパターン。思い当たるのはXBOX360で発売したシュタインズゲートですね。発売前はそれほど注目されていなかった(失礼)と思うんですが、フタを開けてみたら神ゲーということがわかり、ネットで評判が駆けめぐった結果、発売から2、3日で店頭から姿を消しました。

ゲームの真価は発売しないとわからないためこの場合は指をくわえてみているしかありません。もちろん追加発注は出すのですが、それまで店頭では品切れが続く、という感じです。

【読み間違い】
情報を元に発注したはずが、その計算、読みが間違っていたというパターン。発注数を決めるのは人間なので、読み違えることは多々あります。ただし、自分たちの考えの結果であるので、ある意味これが一番痛いです(;´Д`)

【入荷数が上限方式】
ポケモンとか任天堂系のメインタイトル、スクエニのドラクエ、FFなどは発注数に上限が決められていることがあります。自分たちがこれだけ欲しい!発注したい!と思っていても、発注できないというパターン。これはなんというかどうにかしてほしいなぁと思います。

メーカー側としては好き放題に発注されると市場に在庫がだぶつき、結果値下げで価値が下がることを危惧して上限を設けているのだと思います。予約数より入荷が少ない、なんて状態が起こることもしばしば。

代表的なところはこんな感じです。PAOにはバイヤー(商品課)歴20年近いベテランがいますが、それでも読み通りピッタリした発注ができるのはなかなかないですね。今年だと『ラストオブアス』は読みと現実がピッタリリンクした発注をすることができました。世間が品切れる中、自分のところで在庫を持っている、という一人勝ち状態はかなり気持ちの良いものです。ただ、そんなに上手く行くことはなかなかありません。

品切れ=ゲームと出会う機会の損失

ウチの場合、これだ!と思ったタイトルはガッツリ発注する感じなんですが、逆にメチャメチャ余ってしまう、なんてこともあります。ただ、品切れよりは余るほうがまだ良いですね。

やっぱりお店に買いに来てくれて、そこで在庫がない、というのはとても申しわけないことです。来たお客さんが面白いゲームと出会って買っていき、家でワクワクする体験をする機会。それを失わせる結果になってしまいます。どこのお店さんも同じだと思いますが、品切れしたくて品切れているわけではありませんし。

もし品切れしているところを見かけたら、どんな理由で品切れになったのか、今回挙げた理由を元に予想してみるのも良いかもしれません。今は全国の販売数なども調べられるので、予想を立てて答え合わせをしてみるといつの間にか凄腕バイヤーになっている…かも?

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1976年、東京都福生市生まれ。幼少時からゲームに親しみ共に過ごす。プログラマ、ゲームシナリオライター見習いなどを数々の職業を経て現在、東京都にあるゲーム専門店PAOで販促企画を担当。ゲームの面白さをもっと世の中に伝えるべく、ブログ『激コアゲームライフ』を運営中。

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