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朧村正

朧村正に見る、有料DLCのあるべき姿

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発売から半年以上でのDLC配信

告知はされていたものの、いつ配信されるのかずーっと音沙汰がなかった、朧村正[VITA]のダウンロードコンテンツ(DLC)が11/7に配信されることになりました。普通半年以上も待たされたら、正直どーでも良くなって何が配信されようがもう関係な…

(PV試聴中…)

ウソでしたごめんなさいこれいくらですかえっ500円って本当!?

もう、PVを見終わった時点でDLすることが100%決定です。半年以上という長い期間をへて半ばあきらめの境地だったのが、この2分33秒のPVで一気に再燃。というか燃え上がりすぎて今日一日テンション上がりっぱなしでした。それほど今回のDLCは強烈でした。

新主人公、新ギミック、新ボス、新音楽

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今回配信されるのはDLCとして告知されていた4種類の第一弾、『津奈缶猫魔稿』。主人公は猫又お恋というキャラです。朧村正は2人の主人公、鬼助と百姫が刀でバッタバッタと敵を斬りなぎ倒していくアクションでした。しかし今回のDLCでは主人公からして違います。ヴァニラウェア十八番の美しい動きは健在です。形態が3タイプいるので、これのパターンを作ったり、バランス調整したりという苦労があったんだろうなということは容易に想像できます。

また、新ボスも3体追加されており、それぞれがさすがヴァニラウェア!と手を叩きたくなるぐらいの素晴らしいグラフィック&動き。3種類の形態を使い分けて進んでいくというシステムも製品版の主人公、鬼助や百姫には存在しなかったものです。しかもプロモに流れる音楽はどうやらこのDLC用に用意された音楽みたいじゃないですか。このクオリティなら、半年間待っていた期間もムダではなかったと心から思いました。

500円では安すぎる

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プロモを見終わって、ふと我に返って今回のDLCを振り返ったとき思ったのは「これが500円でいいのヴァニラウェアさん?」ということでした。普通、DLCといえば衣装だけで数百円、中には1000円以上するものもあるみたいです。それが今回のDLCはマックのバリューセットよりも安い1コイン。正直、1000円でも即払うよ、という気持ちでした。

お金を『払わされる』のか『払いたい』と思うのか

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最近ではジョジョのDLCが物議を醸しました。原作に入っているべきキャラクターが1体600円と当初は発表されていました(後に期間限定で無料、半額にするキャラが出ましたがあと対応です) また、キャンペーンモードを長時間連続して遊びたいならお金を払う必要があったシステム分はユーザーの怒りを招き、結果的にゲーム全体の評価を地に落としてしまう結果になりました。『払わなくていいものにお金を払わされる』という、ユーザーの立場にまったく経っていない課金システムと、それを公開したのが発売直前という姿勢は褒められたものではありません。

しかし逆に朧村正のDLCは『お金なら500円でも1000円でもサクッと払うから遊ばせてくれ!』とお願いしたいぐらいのものでした。プロモーションビデオから感じられるのは、ゲーム作りに関して圧倒的なまでの想いです。期間が半年空いてしまったのもしょうがないよねこれなら、と心から納得する価値を感じられました。再度書きますが、正直500円では安すぎると自分は思ってます。

同じ課金システム、DLCでもこうまでユーザーの感じ方が違う結果になっています。それに加え、ヴァニラウェアはさらに大きなものを手に入れていると思います。それは目に見えないものですが、すぐには手に入らないものです。

メーカーに対する信頼感

ジョジョの課金騒動を経てからというもの、バンダイナムコの版権系ゲーム対して良いイメージを持っている人はかなり少なくなったと思います。おしょ~も真・ガンダム無双が12月に発売することを知ったとき、「おー100体以上も操作機体でるのかー! …あ、でも、そのうちの何割がDLCなんだろう?」って考えてしまいました。バンナム=課金、というイメージがこびりついてしまっているんですね。

ゲームを100%遊ばせるのではなく、80%とか足りない状態にして発売し、残りの20%を課金で解放する、みたいな感じです。新品で発売日に買った上に、さらにお金を払う必要があるのでは、なら中古でDLC分ぐらい安くなるまで待つよ、という人が出てきても不思議ではありません。いわゆる『信頼』を失ってしまっているわけです。

逆に朧村正を製作したヴァニラウェアは、もともとそれまで製作したゲームのクオリティが高い会社でした。そこへ今回のDLCです。あれだけ想いのこもったものを作ってきた上に、さらに値段も超良心的な500円という設定。これはユーザーの心をガッチリ掴んで離さないでしょう。

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今後出る予定である残り3つのDLCも、おそらくかなりの確率で購入されることでしょう。それは、ヴァニラウェアが対価にふさわしい、もしくはそれ以上に価値のあるものをユーザーに届けてくれるという信頼があるからです。

有料DLCの本来あるべき姿

ジョジョの騒動があったものの、バンダイナムコの課金重視の姿勢は変わらないと思ってます。上に立つ人の考えが変わらない限り、組織の変化はほぼ望めません。逆に、ヴァニラウェアは今後も良質なゲーム、DLCをユーザーに届けてくれるでしょう。代表であり、クリエイターとしても辣腕をふるっている神谷盛治さんが『自分がユーザーとして遊びたいゲームを作る』という考えだからです。

ゲーム本編がすばらしい出来であり、さらにその体験を新しい形で味合わせてくれるなら、自分はいくらでも有料DLCにお金を払います。その『価値』があるからです。メーカーが有料にふさわしい価値を創り出せれば、ユーザーは喜んでお金を払います。今回の朧村正のDLCはまさに本来あるべき有料DLCの姿だと強く感じました。

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1976年、東京都福生市生まれ。幼少時からゲームに親しみ共に過ごす。プログラマ、ゲームシナリオライター見習いなどを数々の職業を経て現在、東京都にあるゲーム専門店PAOで販促企画を担当。ゲームの面白さをもっと世の中に伝えるべく、ブログ『激コアゲームライフ』を運営中。

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