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【サントラレビュー No.051】『風雨来記 オリジナルサウンドトラック』。空気、温度まで感じられる珠玉の音楽

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アドベンチャー史に残る異色作であり名作『風雨来記』のサントラCD

PS1時代、『久遠の絆』でヒットを飛ばした会社、FOG。ヒットの後ですから、当然ユーザーの期待を背負っていました。そして発表されたのが『風雨来記』です。

『風雨来記』は北海道をバイクでめぐり、実在の土地を旅していくという、オリジナリティにあふれたアドベンチャーでした。実際に存在するため、ゲーム内の画面も実写。土地ならではの逸話も多く盛り込んであり、当時はこれを遊んで北海道へ行った、という話をよく目にしました。このブログでも過去に記事として取り上げました(【レビュー】インドア派だった自分に旅の素晴らしさを教えてくれたゲーム、風雨来記

 

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今日はその風雨来記のサントラをレビューします。他のサントラとは、一線を画す出来です。

本サントラはディスク2枚組で、収録曲は全37曲。2枚組サントラの曲数としてはあまり多くはありません。1曲の長さが3分以上の曲が13曲あるのが曲数が多くない理由です。

 

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ゲームとしてもサントラとしてもかなりマイナー。しかし、その中身は珠玉の逸品なんです。

 

北海道の空気、温度を感じることができる

ゲーム本編を遊んだこともありますが、単体の曲として聴いていても、北海道の美しい景色、情景が浮かんでくるんです。風雨来記シリーズのテーマ曲となる『風は丘をこえて』に始まり、名曲揃いです。

ハーモニカの音色が哀愁をそそる『問わず語りの雨』『いえなかったことば』、新しい土地に来た高揚感と、北海道の雄大さを感じさせる『あの丘の向こうへ』や『陽だまりのなかで』。同じく雄大さを感じさせながら、素朴さとちょっとした寂しさが表現された『時は健やかに流れ』。

▲風雨来記 オープニング

▲個人的にかなり好きな『問わず語りの雨』

そのどれもが耳に心地よく、透明感と広がりに満ちています。これが尋常じゃなく素晴らしく、下手なヒーリングCDなんて目じゃないぐらい、聴いていると癒されるのを感じます。

派手でスピード感のあるゲーム音楽とはまた違った、しっとりとした良さ。それを本サントラでは存分に味あわせてくれます。

 

 

今は亡き、風水嵯峨氏の作曲へのこだわり

作曲者の風水嵯峨氏(2007年に他界)は音楽を作る際、そのゲームに対してものすごく興味を持って取り組んでくれていたのとこと。ライナーノーツにもFOGの宗清社長のコメントでその部分に触れられています。

 

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▲ライナーノーツ内で、風水嵯峨氏の音楽作りに対してFOGの宗清社長が語っている部分。

それは、風水氏自身による各曲解説を見ると明らか。37曲全曲にしっかりと解説文が載っています。そのどれもが愛とこだわりに満ちていて、見ていると上記のこだわり部分が本当なんだな、と強く感じることができます。

 

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ライナーノーツ自体はそれほど長くありませんが、片面を全部、曲の解説に使っていることからも、作曲者としてのユーザーへ対しての真摯な姿勢が見えますね。

 

サントラ、ゲーム共に強くオススメ

風雨来記は現在3まで発売しています。1と2はPS2に移植されて高解像度化されてますし、3はPCでワイド画面&さらなる高解像度&北海道全域を旅することができます。

玉恵

▲こっちは1の画面。実写と2Dグラフィックの組み合わせはシリーズの特徴でもありますね。

 

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▲こちらはPCで発売されている3の画面。画面もワイドになって、画像も高解像度になっているので、臨場感はさらにアップしてます。

 

3は風水氏の死後に発売されていますが、新規曲を除き、メインの音楽は1の音楽が使われています。おしょ~は風雨来記2の舞台である沖縄には何回か一人旅しに行きました。

ただ、いつかは北海道へ1週間ぐらい、一人旅をしに行くつもりです。そのときは、このサントラをかけながら、風雨来記で出てきた各所を巡ろうと心に決めています。

フィクションが99%占めるゲームにおいて、実際にある土地をゲーム内に盛り込み、現実とゲームとのつながりも生んでいる風雨来記。本サントラは良曲ぞろいですが、ゲームを遊んでみるとその曲の良さがより強くわかります。音楽がいいな、と思ったらぜひゲームも遊んでみてください。個人的には風雨来記、そして本サントラのおかげで人生の楽しみが増えました(*´∀`)

 

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1976年、東京都福生市生まれ。幼少時からゲームに親しみ共に過ごす。プログラマ、ゲームシナリオライター見習いなどを数々の職業を経て現在、東京都にあるゲーム専門店PAOで販促企画を担当。ゲームの面白さをもっと世の中に伝えるべく、ブログ『激コアゲームライフ』を運営中。

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