ドラクエの半年前に出たRPG
RPGといえばドラクエやFFが王道。
そして、ファミコンにおいてドラクエがRPGというジャンルを一般化させ、その後の大きな流れを生み出すキッカケとなりました。
しかし、ドラクエ1より半年も前にRPGが出ていたのを知っていますか? ファミコン初のRPGとなるのがコレです!
頭脳戦艦ガル(ファミコン 1985年)
ううむ…カセットの絵柄はどうみてもシューティングですね。でも、右上には目立つ黄色文字で大きくRPGと書かれています。
ちょっと画像を拡大してみましょう…。
スクロールRPG
スクロールRPG
スクロールRPG
後にも先にも、こんなジャンル名は存在したことがありません。この時点で怪しさ大爆発です。いや、でも、もしかしたらフィールドで画面がスクロールすることが売りの、普通のRPGかも?
画面写真を確認してみましょう。
ああ…『普通のシューティング』ですねこれ。
この類を見ないスクロールRPG、の本作はどんなゲームだったのか? なかなかにクソゲー個性派ゲームの香りが漂う内容を紹介します。
敵を倒すと自機がパワーアップ
自機を操作して、パーツを100個集め、宇宙空間ステージにいる”ドラッグ”を破壊するのが本作の目的です。
さっきの画面写真で分かる通り、縦スクロールの『シューティングゲーム』です。ただ、メーカーがRPGを謳っていたのは訳がありました。
敵機を倒すと、自機がパワーアップしていく
のです。
最初は前にしか撃てなかった弾が、オートで連射できるようになり、威力が上がり、最終的に斜めショットが撃てるまで進化します。この『敵を倒すと自機が成長する』部分をRPGと称したわけですね。
しかし街の人は居ませんし、会話も無ければヒントも何もなし。今でいうところのRPGとは明らかに違っていました。
▲宇宙エリア30に出現するキャラ『バルバール』。弾を当てるごとにボーナス点が入ります。ただ、5発目を当てるとそれまで集めたパーツの数が0に戻るという鬼畜トラップが仕掛けられていました。これで唖然としたプレイヤーは多いはず。
単なるシューティングには無い『ロマン』があった
当時はRPGという呼び方は一般的ではなく、一部のパソコンユーザーやテーブルトークRPGを行っている人が認知していた状況でした。そのため、本作が成長要素を持っており、開発者がそれを持ってジャンル名にRPGを入れた、というのは気持ち的にわからなくもありません。
ただ、一般的に本作はシューティングゲームとして認識されていて、RPGには入れられていません。遊んでみるとこれをRPGとして認めるのはちょっと難しいんですよね。ゲーム的にも理不尽な部分があるため、人によってはクソゲーに入れる人もいるでしょう。
ただ、個人的には
・100個のパーツを集めていくロマン
・敵を倒して倒して、パワーアップしたときの達成感
は他のシューティングゲームでは感じることができない要素でした。
なので、RPGと謳うのであれば、世界観をファンタジーにして、キャラクターを人間型&攻撃方法は剣or魔法弾、取るアイテムは剣マークや魔法陣、などにしておけば多少なりともRPG、という部分に説得力が出たはずです。
先述の理不尽なトラップなどもあり、名作や秀作とは言えません。ただ、他のゲームと差別化を図ろうとした製作者の意図が垣間見えるだけに、クソゲーとも言えません。
今遊んでクリアして!言われれば首をブンブン横に振ります。でもちょっとだけ遊んでみてよ、と言われればプレイしてしまう、独特な雰囲気、妙な魅力を持ったファミコンソフトです。
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