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雑記

征服者に必要なのは『子作り』!? 光栄の歴史三部作シミュレーション『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン』

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コーエーの歴史三部作って知ってる?

無双シリーズで有名なコーエーテクモ。

その昔、まだテクモと合併する前、社名が光栄だったころ。『歴史三部作』として位置づけられていたシミュレーションゲームがありました。

・信長の野望

・三國志

この2つは今でもゲームが発売されているシリーズです。ただ、最後の1つは1998年を境に続編が発売されなくなりました。

それが『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズです。

チンギスハンとモンゴル帝国という、一風変わった題材を主軸に据え、ユーラシア大陸全土を舞台に戦うことができるシミュレーションゲームでした。

 

そのシリーズ、2作品目となる作品がこちら。

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『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン』[1987年 光栄]

PC-88など国産パソコンで発売された本作は、信長の野望、三國志と比べてセールス的には一歩劣っていました。

ただ、その中身はかなり尖った特徴を持っていたのです。

 

ユーラシア大陸全土が戦いの舞台に

信長の野望は日本、三國志は古代中国が舞台でした。

しかし、蒼き狼と白き牝鹿シリーズはそれよりもっと広いユーラシア大陸全土が舞台!

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どーですかこの広さ!

右上に日本がありますよね。これ、本作ではただの1国として扱われているんです。これだけでもスケールの広さを感じさせますね。

地図の左に目をやると、地中海にアフリカ大陸、なんとグレートブリテン島まで存在! もうどんだけ舞台が広いんだって感じです。

主人公は『ジンギスカン』『リチャード1世』『アレクシオス』『源 頼朝』の4人から選択できます。厳密には同じ時代に生きていない人もいるのですが、時代設定が1200年代ということでかなり新鮮でしたね。

 

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歴史シミュレーションとしてはさすが光栄といった感じで、しっかりと作られています。地域別の特産品を使っての財テクや、コマンド選択によるステータス低下、及びそれを補うために自分を訓練する、など特徴的な要素が数々存在。武将のパラメータなどバランス調整に若干難があるものの、良作と言って良い仕上がりでした

 

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戦闘では騎馬、歩兵、弓矢隊の3種類が存在。信長の野望と違い、山や林など、移動しづらいところを移動すると兵力が減るというシステムがありました。

また部隊ごとの特色がはっきりつけられており、それも戦闘の面白さに一役買っていました。

伏兵の威力がすさまじい歩兵、遠距離で一方的に攻撃できる弓矢隊。騎馬隊はその移動力を活かし、広い草原での戦いで相手を引きずりまわし兵糧を無くして勝利する、なんて戦法も取れました。

菅野よう子さんが手がけた音楽も素晴らしく、今でも戦闘の音楽ははっきり思い出せますね。

 

本作の最重要コマンド『オルド』とは?

本作の最重要コマンド『オルド』。

オルドとはモンゴル語で『宿営地』を指す言葉。ただ、本作ではちょっと違った意味を持っていまして…ようは

 

子作り

 

のコマンドなんですね。

 

本作において、血縁の武将は絶対に裏切らないという特徴があります。また、年月を重ねてくると選択した武将が年で弱ってくるため、後継者という意味でもしっかり子供を作っておく必要がありました。

 

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上の女性は、ジンギスカンの奥さん。

この人に対してオルドを選択し、上手く行くと…

 

オルド

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うん、ヤっちゃってますよね。

 

光栄って1980年代前半に、アダルトゲームを出していた時期がありました。その余波というか、妙に色っぽい演出になっていました。

このオルド、4回成功すると次の年に子供を出産します。男の子だった場合は自軍の武将に、女の子だった場合は配下の武将に嫁がせ、血縁関係にさせることが可能です。

結果的に、子供を作ることで自軍を強化できるんですね。

オルド終了後に「お疲れさまでした」と部下らしき人物からのメッセージが入ったり、自分のパラメーターが低下するなど、こ  れまた生々しい演出が。

 

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各地を攻めるとそこの后を手に入れることができ、彼女たちともオルドが可能でした。

別段18禁というわけでもなく、おしょ~が本作を遊んだのは中学生ころです。その時は子作りのやり方なども知らず、なんとなくドキドキしながらコマンドを選び

「なんかジンギスカンってスケール大きいなぁ…」

と思ったものです。

とにもかくにもオルドは蒼き狼と白き牝鹿シリーズを語る上で、欠かせない要素でした。

 

4作目を最後に途絶えたまま

歴史三部作と謳われていた本作。

しかし1998年の『チンギスハーン・蒼き狼と白き牝IV』を最後に、シリーズは途絶えてしまいます。もともと信長の野望や三國志に比べると有名な題材ではなく、続編を作っても売れない、と判断されたのでしょう。

 

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ただ、本作には独特の魅力がありました。

広大な舞台を征服していく感覚、自分を衰えさせないように訓練しステータスを高く保つ、血縁を作っていきつつ、后のゴキゲンを取りオルドに励む…。他のシミュレーションゲームに比べると『征服者の苦労』が近くに感じられるところがいいですね。

おそらく、本シリーズがシミュレーションとして復活することはまずありません。ただ当時は、信長の野望、三國志と共に光栄を代表する名作シミュレーションだったことは頭の片隅に入れておくべきでしょう。

 

無双シリーズは三國無双、戦国無双と続いています。なので第三の無双シリーズ『蒙古無双』が登場する可能性もほんの少しある…ないかなぁ…。

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1976年、東京都福生市生まれ。幼少時からゲームに親しみ共に過ごす。プログラマ、ゲームシナリオライター見習いなどを数々の職業を経て現在、東京都にあるゲーム専門店PAOで販促企画を担当。ゲームの面白さをもっと世の中に伝えるべく、ブログ『激コアゲームライフ』を運営中。

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