予約特典とは別の、お店ごとにあるオリジナル特典
ゲームソフトにつく予約特典は、メーカーさんが用意するもの。
そして、お店ごとにあるオリジナル特典。これはメーカーさんが素材を用意し、それを選んでお店が製作します。主にコア向けタイトルで作られることが多いです。
アキバ系のお店はコアユーザーが多く来店するのと、通販もやっているので全国からも注文がくる関係上、メーカーも描きおろしの素材を店舗ごとに用意してくれてますよね。
ただ、ウチのように通販をやっておらず、規模的にも全国、という感じではない場合、描きおろしではなく、ゲーム内で使われているイベント画像やキャラクター画像などを用意してもらい、そこから選ぶ、という形になります。
流れ的には
1.メーカーから特典作りませんか?と提案
↓
2.何を作るか&絵素材選択
↓
3.メーカーにOKもらう
↓
4.デザイン作成し、メーカー確認後、製作発注
↓
5.店舗着。発売時お客さんにお渡し。
となります。
■たくさん作れればコストが下がる
基本、オリジナル特典で使われるテレカなどは大量に発注すると製作単価が下がります。なのでドバーッと発注したいんですが、大量に余ってしまっては意味がありません。
そのゲームを買ってくれる人のうち、何割が特典付きを買ってくれるのか? これをしっかり計算しないといけません。制作費がかかる分、通常の予約特価での販売は赤字になってしまいます(;´Д`)
さて、ここで過去にPAOで作ったオリジナル特典を振り返ってみましょう。
PAOで作ったオリジナル特典たち(テレカ)
ちょっとおしょ~のPCを漁ってみましょう…
あったあったー
・キミキス(2006年 PS2 エンターブレイン)
テレカですね。これはPAOで初めて作ったオリジナル特典だったりします。ぶっちゃけ、初めてだったのでどこでテレカって作れるの?とか、うげーこんなに高いのか!みたいなことで悩んだ記憶があります。
テレカって、度数がありますよね。携帯が全盛の今は電話ボックスでテレカを使う人ってほぼいないと思うんですが、これが基本コストに大きくのしかかります。
50度数=500円。それに加えて制作費がかかります。
今はけっこう下がったみたいですね。しかし昔はまだまだ高く、作った枚数も100枚のみでした。そのため、1枚当たりのコストがたしか700円~800円ぐらいだったような…(;´Д`)
特典を付けることで予約数が増えることでのメリットはありましたが、デザイン製作などもろもろ含めると、特典自体での儲けってほぼ0でしたね。
さてお次は、現物が残っていたので現物写真を。
・Fate/stay night[Realta Nua](2007年 PS2 角川書店)
未だに人気が衰えず、今年は再びアニメ化される『Fate/stay night』のテレカです。
これは面白い素材をTYPE-MOON側が用意してくれました。もちろん描きおろしは有名ショップだったのですが、他法人の素材として、すでにテレカとしてデザインができている素材を10種類ぐらい用意してくれたんですね。そして、そこから各法人が選んで行くという方式でした。
しかし問題が1つ。
『他法人と絵柄が被らないかどうか?』
これ、被ってしまうとかなり痛いんですよね。描きおろしは1つ1つの法人ごとなので良いんですが、こういった共通絵柄から選ぶ方式の場合、被ると価値的に唯一無二でなくなります。それは痛い!
なので、この絵柄選択はかなりギリギリまで迷いました。この描かれているキャラは桜というのですが、他2人のヒロイン(セイバー、凛)に比べ、人気がちょっとだけ劣っていました。そして他絵柄に目をやると、セイバーや凛が鎮座しています。
(人気のあるキャラの絵柄にしたい、でも被るのは痛いし…)
みたいにあーでもないこーでもない、と頭を悩ませた結果、やっぱり被らない可能性が高い桜に賭けてみよう!となりました。つくりものじ氏のデフォルメでかなりゆるーい良い感じなのも背中を後押し。
そして営業さんに希望絵柄を伝え、締めきり後、恐る恐る被って無いか聴いた結果…
かぶってなかったー!ヘ(゚∀゚*)ノ
セイバーにしていたら、3社ぐらいと被ったとこでした。
という感じでうまいことPAOだけの絵柄になりました。お客さん的にも、他法人と被っているよりその法人だけの絵柄のほうが良いと思うので、これは運が味方してくれましたね(*´∀`)
PAOで作ったオリジナル特典たち(テレカ以外)
さて、実はPAOで作った特典って、テレカよりそれ以外のものが多いんですね。まずはこれ。
・戦国BASARA クロニクルヒーローズ(2011 PSP)
これは2枚セットの携帯クリーナーでした。希望武将を2種類選べたので、人気の高い真田幸村、伊達政宗を選びました。デザインは素材を元にPAOで作り、カプコンさんにチェックしてもらう、という流れでした。
制作費自体はある程度の数が作れたのと、もともとの単価がそれほどでもなかったので大丈夫でした。ただ、完成品が質的にちょっと微妙だったのが悔やまれます。
特典製作にかけるコストと、出来の部分で勉強になった特典ですね。
・スーパーダンガンロンパ2(2012 PSP)
個人的にも大好きだったダンガンロンパの続編、とくれば作らないわけにはいきません。前作は未知数だったので、特典はそれほど作られなかったのですが、2ではスパイクさんもノリノリでした。
描きおろしはなかったものの、絵素材を2人選び、スパイクのデザイナーさんが背景も含め、作るもののテンプレに合わせて制作してくれました。
そして作ったものはタンブラー。ちょっとテレカや図書カードだと、描きおろしに比べてインパクトが少ないことと、立体物だと日常とかで使ってもらえるかな? と考えました。
これは確か150個ぐらい作ったのかな? 遠方からも立川店とかに予約しに来てくれた人もいたみたいです。コストはかなり高めでしたが、お客さんの評判も良かったのでちょっと嬉しかったです(*´∀`)
・英雄伝説 閃の軌跡(2013 PS3/VITA)
これは去年ですね。これまた大好きなゲームだったため、各店のスタッフなどにも話を聞いて、どんな特典が欲しいかリサーチ。そしてダンガンロンパに続き、日常で、身の回りに置いて長く使えるもの、として今度はマグカップにしました。個人的にも寮で使わせてもらってたりします。
絵素材的には他法人さんと被ったのですが、立体物という点では独自性が出せました。まぁコストはやはり高め…(;´Д`) ホントは中とか色も付けたかったんですが、そーなると価格が4桁になったりも! おそろしー!
タンブラーに続き、立体物はコストがかかることを実感したオリジナル特典でした。
特典付きを買った人に、喜んでもらえたら最高
お店的にオリジナル特典を作るメリットとしては
・予約数が多くなる→売上UP
です。もちろんそれは大前提なのですが、そのためには魅力的なオリジナル特典を作る必要があります。これはもう、そのゲームを買う人の気持ちにならないとダメです。
どういうものが欲しいか?
どんな絵柄、デザインだったら価値を感じてくれるか?
おしょ~自身、コアユーザーのため、比較的お客さんに近い気持ちで考えられる部分はあります。でも、人の好みは千差万別なところもあり、やっぱり他の人に聴かないとわからない部分も多いです。
実は現在、とあるゲームのオリジナル特典を企画中だったりします。絵素材は来ているので、あとはどの素材にして、何を作ろうか?という段階です。今までいくつか作ってきましたが、時代も状況も違うので、今回も頭を悩ませています。
でも、一番はオリジナル特典を手に入れた人が喜んでくれること、それが一番! そのためにまだまだ悩んで、価値のあるオリジナル特典をお届けできるように頑張ります。
コストさえ考えなければ、いろいろ夢は広がるんですけどねー(*´∀`)
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