『Fate/Grand Order(FGO)』がいろいろ大変なことに
先日、Android版の配信が開始されたスマホゲーム『Fate/Grand Order』。
かなり長く延期されていましたが、ようやく配信ということで心待ちにしていた人も多いでしょう。
しかしこの『Fate/Grand Order』、キャッシュにプレイヤーデータが入っていたり(スマホ側で保存されるため、キャッシュ削除するとデータも消えてしまう仕様)、配信初日にメンテが入るなど、かなりの問題を抱えているようです。
本作の事前登録人数は70万人を超えており、スマホゲームとしては非常に高い注目を集めていました。 息の長いコンテンツとして愛されてきたFateシリーズですから、しっかりと配信できていれば非常に大きな利益を作り手にもたらしてくれたことでしょう。
ただ今回は、長く愛されてきたFateシリーズに傷を付けることになってしまったようです。
自社の看板タイトルを他社に任せるリスク
以前、家庭用ゲームでも同じような事例がありました。
カルドセプトサーガ[Xbox360]
カルドセプトシリーズは、大宮ソフトの看板タイトル。そしてサーガは新作としてかなりの期待をされていました。
発売元はバンダイナムコゲームズ、開発はロケットスタジオが担当。大宮ソフトはゲームデザイン部分のみを担当する形でした。
ところが、フタを開けてみればランダムであるはずのサイコロの目が奇数と偶数を繰り返すなどのバグが多数存在。プレイのレスポンスも悪く、それまでのカルドセプトの軽快さが失われているなどかなりのがっかり仕様。結局はソフトの回収問題にまで発展しました。
プラットフォームが移動し、当時の次世代機での発売だったにもかかわらず、オンライン対戦も盛り上がることなく全国大会も開かれないままとなりました。
大宮ソフトにとってみれば、かなりの誤算だったでしょう。外注を選択したことで自社の看板タイトルに泥を塗られることになったのですから…。
カルドセプトサーガの他にも、『フロントミッションエボルブ』『ロストプラネット3』などもありました。外注に出された結果、ゲームとしての面白さがまったく足りず、今後のシリーズ展開自体に赤信号が灯ってしまっています。
これらの事例から、自社の看板タイトル、人気タイトルを外注に出すというのは、かなりリスクが高いことがわかります。
FGO開発担当は『ディライトワークス』
Fate開発元のTYPE-MOONはアドベンチャーゲームのノウハウはあっても、スマホゲームのノウハウはありません。
そして今回、外注先の選択が正しかったのかはかなり疑問です。
開発元のディライトワークスは規模が小さく、開発経験も不足していたように思います。度重なる延期やメンテ、不可解なプレイヤーデータの保存先などは経験不足が招いた結果と予想されます。
FGOを良質なゲームとして仕上げていれば、知名度もあがり今後の仕事にも良い影響が出たはず。ただ今回の件で今後ディライトワークスにアプリ開発をお願いしようとする会社はかなり少なくなるでしょう。
また、ディライトワークスを選択したTYPE-MOON自身も責任を免れません。Fateほどの知名度があるコンテンツであれば、開発経験が豊富な会社はいくらでも見つかったはずです。
TYPE-MOONとディライトワークス代表の『共通の友人』を介して話をする機会があり、開発することになったということですが、結果論から言えばそれは正しくありませんでした。
外注先の選択は非常に重要
カルドセプトサーガでもそうでしたが、看板タイトルを外注するということは自分の娘を嫁に出す、ぐらいの大きな事柄。もっと吟味はできなかったのかと思わざるを得ません。
自社開発ができないのであれば、せめてしっかりとした外注先を見つけることにまず注力すべきです。少々コストが高くとも、自社タイトルに泥を塗られるよりマシでしょう。
▲ニトロプラスの虚淵玄さんが手がけた小説『Fate/Zero』。Fateの人気をさらに押し上げた要因の1つと言えます。小説も開発の一種、と考えると虚淵氏の起用は大正解でしたね。
看板タイトルを外注することの危険性を、各ゲーム会社は今一度強く認識する必要がありそうです。
ちなみにFGOはiPhone版の配信も予定されています…が、いつになるか未定です。『月姫』リアルタイムで遊んだ身としては、早く遊びたいのですがいつになることか…(;´Д`)
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