昭和50年代には多数存在した10円ゲーム
以前訪れたことがある『駄菓子屋ゲーム博物館』。
そこの館長さんである岸 昭仁さんが書いた本が届いたので、さっそく読んでみました!
日本懐かし10円ゲーム大全(岸 昭仁:辰巳出版)
表紙にはズラリと10円ゲームが並び、帯にはなんとあの…
ゲームセンターCXでおなじみ、有野課長ことよゐこの有野晋哉さんが。こういう推薦の帯ってよく見ますが、写真付きだと本当に推薦しているなーって感じが出ていいですね。
裏面のキャッチコピーも昭和生まれにとっては郷愁をそそられ、興味を惹く良いコピーです。
フルカラー写真で紹介される10円ゲームの数々は圧巻
本書は全128ページ。
メインとなる、10円ゲームの紹介には数多くのページが割かれています。
紹介ページで使われている写真はすべてフルカラー。メイン機種にはゲーム性の紹介が事細かく記されています。
また筐体写真は年季を感じさせるものが多いですね。これらの多くは作られたのが昭和50年代なので、実に30年~40年も経っています。それらがフルカラーで数多く載っている、というだけでも資料的な価値は非常に高いです。
基本的には最低半ページが使われて紹介。こういったゲームを1冊の本にまとめているのは、本書が初じゃないでしょうか。よくここまで取り上げているなーと感心しちゃいますね。
あと筐体の内部が紹介されているページは面白かったです。ギッシリ基板が…なんてことはなく、とてもシンプルな構造。シンプルだから電子的に壊れることは少なそうですが、逆に物理的に壊れてしまうと修理が大変そう…。
ボタンを叩いて、星の付いた場所に止める『JUMP UP』。これ、福生の長崎屋にあったゲームコーナーでよく遊んだなぁ…。人が面白い、楽しいって感じる原始的な部分を上手くゲームに落としこんである点も注目です。
一時期とても流行った『ジャンケンマン』。声に合わせてグー、チョキ、パーのどれかのボタンを押すだけのシンプルなゲーム。シンプルだけにわかりやすく、これもよく遊んでいましたね…いやー懐かしい!
あのカプコンが作った『フィーバーチャンス』。当たった上で真ん中の数字が揃うと2倍~5倍のメダルが払いだしされました。今はTVゲームメーカーとしてお馴染みですが、こんなのも作ってたんですね。他にもコナミ工業(現KONAMI)が作っているメダルゲームも掲載されていました。
今でも遊べるお店紹介&実際に機械をを作っていた人のインタビューも
10円ゲームの紹介以外の特集もしっかりツボを抑えてます。
10円ゲームが現役で稼働しており、今でも遊べるお店の紹介ページ。著者である岸さんが運営する駄菓子屋ゲーム博物館を初め、いろいろなお店が取り上げられてます。
個人的に、静岡熱海にあるお店の写真で『じゃんけんピエロ』が現役で動いていたのに驚き! これだけのために遊びにいっても良いって思うぐらい、想い出深いゲームです。
実際に機械を作っていた企業の方や、駄菓子屋などを運営している人のインタビューも。こういったインタビューはすごく貴重であり、本書の価値を高めている要素の1つです。中には「ライフワークとして続けている」とおっしゃっている高齢の方もいました。
商売として考えると、1回10円で遊べるこれらのゲームは、坪単価に直せば微々たる売り上げだと考えられます。ただ、そういった数字面だとか効率だとかを抜きにして支えている人たちの言葉は、すごく心に響きます。
著者の想いが感じられる、素敵な1冊
当時、母親からこづかいをもらい、デパートの屋上や駄菓子屋で楽しんだ10円ゲームたち。それらの多くは壊され、現存するのもはわずかとなっています。
そのゲームたちを保管し、楽しめるようにしている人たちがいる。古いものなので維持するのも大変。しかし今でも店頭で稼働しているお店は実際に存在し、子どもたちが楽しんでます。
それは、愛が無ければできないことです。
そして、その想いが本書にはギッシリ詰まっています。資料としての価値も高いですが、昭和51年生まれのおしょ~にとってはそれ以上に、子供時代の気持ちを思い出させてくれる、本当に素敵な1冊です。
今年の夏は、本書を持ってもう一度駄菓子屋ゲーム博物館に行きたいと思います(*´∀`)
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