朧村正本編の曲をすべて収めた3枚組みサントラ
先日、DLCである元禄怪奇譚のサントラレビューをしたとき、本編サントラのレビューをしてない事に気づきました。
というわけで、2日連続となるサントラレビューはこちら!
朧村正 音楽集
和風剣戟アクション『朧村正』のサウンドトラックです。
サントラの発売は2009年。ゲーム自体がWiiで発売されたのも2009年であり、考えてみるともう6年(2015年現在)経っているんですね。
ですが朧村正の音楽はまーったく色褪せることがありません。和風世界を表現した音楽として唯一無二の魅力を醸し出しています。
『和』を見事に表現したゲーム音楽
3枚組みで収録曲は57曲!
まず聴いて良いと思うところは、和風の世界を見事に表現しているという点です。
朧村正の世界観はまさに『和』そのもの。しかもヴァニラウェアの体現してるグラフィックはものすごく力があるため、流れる曲にも相応の表現力が求められます。
あの映像美に負けず調和したり融合するような音楽ってかなり作るのが大変なはず。ただ、その大変なことをちゃんとやりきってるんですよね。
さて、ゲームでは美しい景色を見ながら目的地に向けて疾走することがよくあります。『閑雲野鶴・阿』や『金殿玉楼・阿』はそんな道中を彩る曲として印象的です。
他のゲームではなかなか見られない特徴として『道中曲と戦闘時の曲が対になっている』ことが挙げられます。『金殿玉楼・阿』であれば『金殿玉楼・吽』という風に曲名がつけられているんですね。
静かな道中曲に比べ、戦闘曲はテンションがあがるアレンジになっており、その差異を楽しむことができます。
中でも出色なのが『雪月風花・阿』と『雪月風花・吽』。
しんしんと降りしきる雪の冷たさや凛とした空気を表現しているような『雪月風花・阿』に対し、『雪月風花・吽』は激しい三味線の音色が情熱的で、吹雪の荒々しさや雄々しさを体現したような旋律になっています。
同じ基本メロディをここまで差別化できるものなのかと。圧倒的な存在感の2曲であり、おしょ~が本サントラで一番好きな組み合わせです。
三味線や笛など和楽器を押し出しつつゲーム音楽としてしっかり聴ける作りになっているのは素晴らしいですね。
ベイシスケイプの7人が作曲を担当
古くは『伝説のオウガバトル』や『ベイグラントストーリー』、最近では『ドラゴンズクラウン』で知られる崎元仁さん。氏が率いる音楽制作会社"ベイシスケイプ"が朧村正の音楽を担当しています。
崎元氏を含め7人が作曲を担当。これだけの人数で作曲しても、1つのゲーム音楽として統一感がしっかり取れています。個人的にベイシスケイプが担当したならサントラ買ってOK、というぐらい信頼感がありますね。
日本人の心にぶっ刺さる、珠玉のゲームサントラ
和風ゲームがそれほど多くないため、ゲームサントラにおいて和風の曲、しかも全編にわたるものってかなり少ないです。
その中で本サントラは和の心、日本人の心に受け継がれてきたDNA的なものを強く感じさせてくれる仕上がりになっています。
ライナーノーツにある崎元さんのコメントにはこうあります。
『神々や自然との折り合い方、人生観や長いターンでの時間に対する考え方等々、私達は日本人であるが故、自然とその精神性を持ち、また日本人であるが故、自分の考え方の根底についてゆっくりと考える機会は少ないと思います。もし我々の試みが皆様へ伝わり、皆様がこのサントラを聴いて「日本っていいね!」と思って下さるのであれば、これ以上の幸せはありません』
朧村正の音楽を作り上げるにあたり、崎元さんは『和』とは何か?というところから考え、日本人のルーツを探すことから始めたそうです。音楽作りのためここまで突き詰めていく姿勢は本当に脱帽です。これだけ力を持った『和』の楽曲が生み出せたのも納得できます。
日本人の心にぶっ刺さる和の1枚として、手元にずっと残しておきたいサントラです。
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