画面の向こうに実際に女の子が…
いる(という設定)すごいゲームが発売されたのは、1996年7月26日。
当時としては大容量のCD-ROMがメディアだったPS1。その容量を活かして、ゲーム中にムービーが入ることがかなり増えました。FF7のようなポリゴンムービーもあれば、ときメモのような2Dアニメもたくさん存在しました。
ときメモのヒットから、ギャルゲーがかなり生産されたのですが、その中でも高いレベルのビジュアルで発売前から話題をあつめたのが本作です。
Noel NOT DiGITAL(ノエル ナット デジタル)
ゲームジャンルは『アタッチメント・ソフト(接触型愛着育成ソフト)』。訳のわからないジャンル名ですよね。
『夏に海で少女3人と知り合った主人公(プレイヤー)が、テレビ電話で3人と会話をし、親密になっていく』という設定でした。
当時最高クラスのビジュアルとアニメーション
ゲームというより、実際のコミュニケーションツールのような打ち出し方をしていたため、ビジュアルは相当に力が入っていました。
ヒロイン3人を全面に押し出した広告展開は当時のオタク系青少年の心をグイッとわしづかみにしました。
おしょ~も広告でもうひと目ぼれして、購入まで至った1人です。愛読していた電プレ(電撃PS)はコア系ユーザーを主なターゲットとして想定していた雑誌。広告や表紙で見る機会が多かった記憶があります。
そして、ゲーム内のアニメーション。マッドハウスが制作しており、他ゲームと比べ群を抜いていました。オープニングムービーからしてすごいんですよ。ぬるぬる動く上に…
お色気要素もしっかり含まれています。当時は純真だったおしょ~にとって、いろいろと刺激的で魅力にあふれた映像となっていました。
そして、実際の会話画面。表情の多彩さや動きのリアルさはため息モノ。今から19年前ということを考えると驚愕すべきレベルです。
3人にヒロインを絞っただけあり、それぞれ豊かな表情、声、動きがつけられていました。
このようにビジュアル面では言うことなしだった本作。しかしゲームとして面白いか?と問われると疑問符が。
複雑でわかりづらい操作系&ゲーム進行
リアリティを追求した結果、ゲーム内の時間とリンクしてゲームは進行。テレビ電話という設定上、相手が学校から帰ってきている時間帯に電話しないと留守番電話に。そして夜中にかけようものなら、迷惑電話として相手の心象を悪くしてしまいます。
疑似OSのメニューから電話をかけるなど、徹底して現実感を重視していた反面、実際ヒロインとの会話シーンでは会話のタイミング、ネタ(会話ボール)選択などが非常にわかりづらく、普通に遊んでいると会話ボールがなくなるなど悲惨な目に。
コツがわかると会話も上手く進められるのですが、そこまで行くまでに挫折する人も多かったです。そのため、価格がすぐに下がってしまい、セールで処分されるような状態に。意欲的なコンセプトとビジュアルで高めた期待度を、面白さが超えられなかった、という印象です。
しかし、『実際に画面の向こうに女の子がいて、会話できる』というシチュエーションを疑似的に実現していたのは素晴らしいです。もしVRなど今の技術でリメイクしたらスゴイものができるんじゃないかなぁ…。
当時高校生だった自分に、いろいろと夢を見させてくれた本作。中古をゲームショップ探せばすぐに見つかるでしょう。PS3でもプレイOKなので、19年前に作り上げられた未来を感じてみるのも一興ですね。
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