「桃鉄が正式に終了」とさくまあきらさんがツイート
桃太郎電鉄の生みの親、さくまあきらさんが以下のようなツイートをして話題になっています。
コナミから何の連絡もない。こんな調子でずっとほったらかされた。ここに桃太郎電鉄は、正式に終了します。すべてコナミの石川が握り潰しました。
— さくま あきら (@isetta_23) 2015, 6月 2
コナミといえば、小島監督、小島プロダクションの一件もあり、世界中のゲームプレイヤーから厳しい目で見られています。ただ、コナミ的には今回の騒動を含め、それほど痛くないのかもしれません。
家庭用ゲームのプレイヤーには愛されなくていい
2015年4月1日、コナミの社長が早川英樹氏になりました。
インタビューではコナミ全体をモバイル向けにシフトしていく、ことをインタビューで語っています。
もともと『ドラゴンコレクション』のエグゼクティブプロデューサーとして、モバイルゲームの成功を目の当たりにしてきた氏ですから、その経験を元にして会社全体をシフトさせていくのは理解できます。
▲コンプリートガチャの元祖とも言われるドラコレ。
今後、コナミがメインとして考えるお客さんはソーシャルゲームでプレイ&課金してくれる人です。逆に家庭用ゲームでパッケージにはお金を払う。けどソーシャルゲームは遊ばない、という人は今後、長い目でみた場合の顧客としては想定されていません。
そうなると、今の家庭用ゲームを愛する人がいくら声を上げたところで、コナミとしては将来的に利益を生み出さない人の声であり、重視しなくていいよね、ということになります。
そのため小島監督の件を含め、コナミ的にはそれほど重要に考えてないのかもしれません。どうせ将来的なお客さんじゃないしー、的な。
ただ普通、世界であれだけ大きな騒ぎになったら、正式に小島監督からコメントさせ、ユーザーを安心させたほうが絶対に良いのですが、それをさせないあたり、家庭用ゲーム勢に対するコナミの冷たい姿勢を感じさせます。
他メーカーでは上手くやっているところも。
コナミとは逆に、手に入れたIPを上手く活用しているのがコーエーです。
吸収合併したテクモ、買収したガストのタイトル群をしっかり活かし、会社としては下手なソーシャルゲーム会社を超える営業利益率をたたき出しています。
そりゃ株価も右肩上がりになるってもんです。900円の時に買って寝かせておけばと後悔してもあとの祭り…という話は置いといて。
コーエーを見ると、手に入れたIPを家庭用で活かす見本そのもの。もちろんソーシャルゲームも手がけていますが、まだしばらくは家庭用でガッツリ儲けを出していけそうなコーエー。三國志もしっかり最新作を出すあたり、自社の寄って経つところを認識しています。このあたり、コナミとはかなりやり方が違います。
コナミでは作りたいゲームを作れない、というイメージがついている
メタルギア、パワプロ、ウイイレ…あとなんだっけ?
って感じで、今のコナミが持っているIPで生きているものって実はあまりないんですよね。
悪魔城はIGA氏が退社、ラブプラスは内田明理プロデューサーと箕星太朗(旧ミノ☆タロー)さんが退社、メタルギアもファントムペインを最後に小島監督が退社する流れでしょう。そして今回、桃鉄がさくま氏と揉めたことで今後の展開は期待できません。ていうか幻想水滸伝ファイナルまだですか…。
数々のクリエイターがコナミを去っていく、または関係性を悪化させている現状から、作りたいゲームが作れない会社、というイメージが付いていることは想像に固くありません。
そういうイメージの会社に、ゲームを作りたい人が入社したい、または既存のクリエイターが一緒に作りたいかどうかと考えたら…答えは明白です。
今後は想いのあるクリエイターに共感してお金を払う時代
騒動がある度にコナミは『このタイトルを作りづつけます。大丈夫です』と発表を行ってきました。でも、ユーザーが欲しているのは『それまでシリーズを作り上げてきたクリエイターが作る続編』です。
だから、ユーザーにとってクリエイターが退社した時点で大丈夫じゃないんです。
単にタイトル名が同じでも、中身がアレだったらユーザーは確実にそっぽを向きます。
今後、これらのタイトルはコナミの言うとおり発売されるでしょう。ただそれはスマホゲームがメインでしょうし、家庭用で発売したとしても課金要素が加えられていきます。
それらのゲームをユーザーが望むかどうか? 少なくともメタルギアは小島監督が携わらないようになったら、売り上げはガクンと落ちるでしょう。
▲メタルギアの知名度を頼りにしたスマホゲームはわずか1年でサービス終了の憂き目にあっています。単にタイトルの知名度だけあれば人気が出るわけではありません。
スマホゲー隆盛の時代ですが、PS4が好調だったり、任天堂が新ハード『NX』を来年情報公開するなど、家庭用ゲームの灯はまだ消えていません。
そしてクラウドファンディングでクリエイターが多くの資金調達に成功しています。時代は『想いのある人が表現するビジョンに共感してお金を出す』方向に動いているように感じます。少なくともおしょ~はそうです。
家庭用ゲームへ力を注がなくなり、クリエイターが流出し、スマホへ尽力するコナミ。数年後、コナミ製作のゲームがどういった評価をされるのか。その時、改めてこの記事を見返しつつ語ってみたいです。
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